当社自動車船事業の欧州総代理店として、主に運航・航路管理から集荷戦略の立案など、航路マネジメント機能を担う“K”LINE(Deutschland)GmbHに在籍しています。その中でもCorporate Planningに所属し、社長補佐並びにコーポレート関連業務(会計、税務、法務など)全般に携わっています。また、EUにおけるGDPR(一般データ保護規則)をはじめとする様々な規制や、ドイツ法令も含めた最新動向を確認し、“K”LINEグループの連結子会社として東京本社へ適宜報告を行い、組織運営の最適化を促進しています。
当社に所属する約70名のスタッフはドイツ国籍者のみならず、ブルガリア、スペイン、フランス、イタリア、アゼルバイジャン、ナイジェリア、インド、台湾など、国際色豊かなメンバーです。「忖度」や「空気を読む」という概念は基本的になく、高コンテクスト文化の代表格である日本の駐在員が、正反対の環境下でナショナルスタッフに相対する場合、はっきりと相手が理解するまで言語化して伝えなければいけません。コロナ禍のリモートワークも重なり、当初は難しさを感じましたが、それを乗り越え、一緒に汗を流し、分かり合えた時の達成感は大きいです。
ハンブルクは人口約180万人のドイツ第2の都市でありながら、デュッセルドルフ、ミュンヘン、フランクフルトなどドイツ他州に比べ在留邦人が少ないです。雨雲に覆われた天候の悪い日が多いですが、運河や緑地など自然に溢れた港町であることから、天気の良い日の自転車通勤は快適です。週末はアルスター湖畔をランニング、日照時間の長い5〜8月頃にテラス席でいただくドイツビールは格別の美味しさです。また、コロナ規制が緩和されてから、シェンゲン域内の欧州各国へ気軽に旅行できるのも、島国の日本とは異なる感覚です。
ドイツでは労働基準法で規制されているため、基本的に残業がありません。そのため、就業時間の中で効率よく仕事をすることが求められます。日本に比べ祝祭日が少なく、その分夏休みシーズンに長期休暇を取得する傾向があったり、有給休暇と相殺しない病欠制度もあります。さらに雇用契約書で業務範囲が明確になっているため、しっかりと線引きがされています。こうした環境の中で、調整に苦労することも多いですが、ナショナルスタッフとコミュニケーションを図り、マネジメントしていくことが自らの成長につながっていると、日々感じています。
グローバルにビジネスを展開する当社にとって、海外現地法人で働くナショナルスタッフは貴重な財産です。彼らが何を考え、東京本社からどのような情報発信を求めているのかなど、席を並べて働くことで見えてくるものがたくさんあります。そうした貴重な経験から得た感覚を忘れずに持ち続け、国籍問わず信頼される立場であり続けることが、結果的に誰もが働きやすい職場環境をつくり、会社の発展への貢献につながると考えています。