現在、ONE(Ocean Network Express)のヨーロッパ・アフリカ地域統括であるロンドンで、アジア・欧州航路のトレードマーケティング部に所属しています。主なミッションは担当航路の収支最大化に向けた戦略立案及び実行。具体的には、各顧客の貨物量及びコンテナ1本あたりの粗利の分析を行ったり、顧客の窓口であるヨーロッパ各国の営業部門の目標に対するパフォーマンスを数値化して管理を行っています。
コンテナ船事業は分業体制がしっかりしているため、自部門だけでは解決しない事だらけです。例えば、ターミナルの混雑等で予定していた港に寄港できない場合の対応や、お客様がパッキングに必要な空コンテナをタイムリーにリリースするための対応といったような、他部門との事前確認や調整が非常に重要な業務があります。仕事をする上でトラブルが起きることは多々ありますが、それが大きな問題になる前に、他部門を巻き込みながら、できる限り迅速に対処できるかが仕事の難しさでもあり、やりがいを感じられる部分でもあります。一方的なコミュニケーションではなく、相手に理解、納得そして行動に移してもらうまで話し合うことを常に心がけながら、日々の仕事に取り組んでいます。
イギリスだけでなくヨーロッパ全体の特長かもしれませんが、まとめて2~3週間の休暇を取る点は赴任当初驚きました。日本だと周りの人に迷惑が…というようなことを考えてしまいがちですが、当地ではそんなことは全くありません。特に7月、8月はオフィスへ出社する人数も少なく、仕事が回るのかな?と心配したりもしましたが、部門内で互いにフォローする体制ができており、杞憂に過ぎませんでした。赴任1年目は1週間の休暇を取るだけで十分と感じていましたが、2年目以降はまとめて2週間程度の休暇を取得し、旅行するのが楽しみになっています。上司や同僚には、「ヨーロピアンのマインドになったね」と言われたのを覚えています。
当地のナショナルスタッフは基本的に残業をするという考え方がありません。仕事をしている時間が長いから頑張っているという評価にはならず、逆にタイムマネジメントができていないと見られてしまいます。実際、チームメンバーに少し時間を要するデータ分析を依頼したら、「この分析をしていたら、その他業務が定時までに終わらなくなってしまう。もっと簡単にデータ分析できる方法を考えてほしい」と怒られたことがあります。その後、自分・相手共に無駄な仕事を省き、業務効率を上げる方法について常に考えるようになりました。まだまだですが、駐在を通してこの点は成長できたのではないかと思います。
海外駐在となると、日本で働くよりも1つか2つ上のポジションの職を任されることもあります。したがって、経営層との距離が近いため、以前よりも意識的に、新しい視点、広い視野、高い視座で物事を見るようになりました。今後はこの経営者視点を忘れず、マネジメントでもプレーヤーでも、与えられたポジションで最大限のパフォーマンスを発揮していきたいと思います。