営業から船舶管理、
船の新造まで、
着実にキャリアを重ねた今、
チーム長として
マネジメントに挑む
中国語人材として入社した前職の広告代理店では国際部に所属。その中で中国だけでなく、もっと国際的に働きたいと考えるようになり、国際×実務の仕事ができる海運業界へ。中でも温かい社風と、一人ひとりの社員の裁量の大きさに魅力を感じて当社へ入社。現在、チップ・ハンディチームのチーム長として営業活動を担っている。
(鉄鋼原料事業グループ 鉄鋼原料第二チーム)
ケープサイズの船のオペレーションを通じて、
船の知識、貿易の基礎知識を叩き込む
入社後、配属されたのは、主に鉄鉱石を扱う鉄鋼原料事業グループ。元々営業志望でしたが、当初は船に関する知識を深めるためにオペレーションを担当し、そこで得られた知識をベースに少しずつ営業サポートも担うようになりました。
オペレーションを任されたのは、ケープサイズと呼ばれる、東京タワーを横にしたくらいの巨大な船。もし何らかのトラブルが発生し船が止まってしまうと、鉄鋼原料が運べなくなり、最悪の場合、鉄鋼メーカーの操業が止まるので、お客様に多大なご迷惑をかけてしまうことになります。最初からそのような大きな裁量を持たせていただき、身が引き締まりました。船の知識を教えていただきながら、必死に食らいついていく日々。その中で値引き交渉の結果、自分の手配でコストセーブできたり、うまくトラブルを解決に導いたりと、小さな喜びもたくさんあり、航海ごとにお客様のお役に立てたという達成感を得ることができました。そして経験を積み上げていくにつれて、やがて大きな喜びにつながる成果も上げられるように。ファーストキャリアの3年間で叩き込まれた船の知識、貿易の基礎知識は今も仕事に取り組む上でのベースになっています。
→船舶管理統括グループ 船舶管理チーム)
小さなコスト圧縮の地道な積み重ねで、
当社保有の全船舶のコスト削減を達成
4年目に営業からいったん離れ、船舶管理を担うことに。当時、当社がリーマンショックによる不況で大きな経済的ダメージを受ける中で課せられたミッションは、船舶のコスト削減でした。対象となるのは、当社が保有している船舶全て。各船舶に関わる大勢の関係者との調整は困難を極めました。例えば、営業からすればコストを下げたい。技術からすればコストを下げれば船質の低下につながりかねない……とその思いは相反します。そんな中で、船質を維持しつつ、コスト削減を達成するための工夫に知恵を絞りました。工夫の一つは、船舶ごとに異なっていた船体に塗るペイントの種類を統一してコストを圧縮すること。そうした細部に至るコスト削減の地道な積み重ねで、最終的にミッションを達成することができました。
これら一連の業務で難しかったのは、営業で必要な知識よりもっと深い船の専門知識が必要だったこと。それこそ船体に塗るペイントの種類はどれくらいあって、何社のメーカーがあり、それぞれの価格はいくらかまで。そんな中で心強かったのは、隣に機関長がいたことです。当社では海上職の方が陸上勤務をする期間があり、すぐ近くに船のプロがいて直に教えてもらえるのが魅力です。海上職の方と仕事ができ、本当の意味で、船会社として船質とコストの両立を意識する重要性を体感できたことは大きな収穫でした。
(バルクキャリアグループ バルクキャリア第二チーム)
世界の様々な港、様々なお客様を相手に
営業担当として奔走する充実の日々。
入社6年目から営業として担当したのは、鉄鋼原料グループで扱った船型とは違う、スープラマックスと呼ばれる5〜6万トンのサイズ〜パナマックスサイズと呼ばれる7〜8万トンの船です。比較的小型の船型であるため汎用性があり、世界の様々な港、様々なお客様の、様々な貨物を扱うことができるのが醍醐味です。入社8年目から5年半シンガポールに駐在し、「穀物をブラジルから中国へ」「マンガンをオーストラリアから中国へ」など様々なお客様の要望に向き合い、受注拡大に努めました。
私たちのミッションは、安全かつ競争力のある輸送サービスを提供すること。そのため船に関する知識だけでなく、常に世界経済の動向や新しい商圏、新しい航路などの情報収集に努めることが、営業活動の要となります。例えば、確度の高い情報をつかむことで、「今年は穀物が豊作で輸送量が激増するため、パナマックスサイズ船型の運賃が高騰します」などと、早い時点でコストを重要視するお客様に注意を促すことができます。このようにお客様とよくコミュニケーションをとってその現状を把握した上で、いつもお客様にとって有意義な営業担当でいることが確実に成果として表れます。この7年半は入社以来培ったスキルを駆使することで、脂の乗った営業担当として新規開拓も実現するなど自分が満足できる結果を出すことができた日々でした。
世界でも数少ない専用船を担当する中、
船の新造の基本を学び、マネジメント力を磨く
同じグループ内のチップ林材チームに異動したのは、入社12年目。チップ船とは、製紙会社向けにその材料を運ぶ、世界で150隻ほどしかない専用船です。ここで非常に勉強になったのは船の新造。これまで担当した輸送は、年に3〜5航海、長くて1年契約でしたが、チップ船の契約は短くても10年契約。長いと15年契約になります。そのため同時に船もつくることになるのです。船の新造となれば数十億円の巨額投資。その投資を経営層に決定していただくための根回しを初めて本格的に担当し、船の新造の基本を学ぶことができました。
現在、私はチーム長としてマネジメントを担う立場。その中で心がけているのは、営業担当一人ひとりが気持ちよく働ける環境づくりです。具体的には、「この決裁はここまでやっていい」などと任せるようにしています。その一方、営業担当レベルでは難しい交渉になれば、チーム長として間に入って適切なサポートを行っています。マネジメント歴はまだまだ浅く、力不足の面もありますが、少しずつチームの皆が育っている手応えを感じています。お客様が「御社の社員が一番親身になってくれる営業担当です」と言ってくださった時は本当にうれしかったですね。
最近、ハマっているのはゴルフです。始めたのはだいぶ前なのですが、今は本気でスコアをまとめようとし始めています。そのために練習に精を出したり、良いクラブを購入したり(笑)。当社はゴルフ愛好家が多く、教えてくださる方も多いです。また、私は大の船好きで、クルーザーに乗って旅をするのも好き。地中海クルーズ、そしてイギリスのドーバー海峡を越えてフランスへのクルーズも。雄大な自然の中で、自分が乗っている船が自在に動いているという感覚が味わえて楽しいのです。機会があればまた行きたいと思っています。